WEBPLA[ウェブプラ]|マーケターのキャリアノート https://www.wplng.com ウェブプラ|マーケターのキャリアノート Sun, 26 Jul 2020 10:45:44 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.4.2 https://i2.wp.com/www.wplng.com/wp-content/uploads/2019/01/cropped-favicon.gif?fit=32%2C32&ssl=1 WEBPLA[ウェブプラ]|マーケターのキャリアノート https://www.wplng.com 32 32 163594622 デジタル・ストラテジストの役割や平均年収と必要なスキル https://www.wplng.com/20200726/ Sun, 26 Jul 2020 05:44:05 +0000 https://www.wplng.com/?p=1880 リアルとインターネットの世界を分けて考える時代は終わりました。リアルも含めたあらゆる顧客体験に対して、デジタルを軸としたコニュニケーション戦略が必要とされています。

その時に中心となる人材が、「デジタル・ストラテジスト」です。

デジタル・ストラテジストに対する需要

デジタル・ストラテジストは、後述する「デジタル・トランスフォーメーション」の推進が活発になった近年で需要が高まっている印象がありますが、2006年頃より一定数の検索規模を持っています。

トレンドとしては、「Digital Marketer」とほぼ同水準で推移していました。2015年頃から大きく差が開いていますが、ニーズとしては下がる事なく推移しています。

インターネットの普及と併せて、消費者中心のマーケティングへのシフトは古くから提唱されていました。かつ、あらゆる接点(コンタクトポイント)を統合して最適化しようという統合型のマーケティング戦略に対するニーズもあり、デジタル・ストラテジストが求められてきたと言えます。

デジタル・ストラテジストに必要なスキル

デジタル・ストラテジストには、下記のようなスキルが必要とされています。

  1. 経営戦略立案スキル
    デジタル戦略は、単なるコミュニケーション設計やプロモーション立案ではありません。現在の事業を、いかにデジタルを軸に変革を推進できるか?が重要となります。そのためには、事業そのものの戦略を立案できるスキルが必要となります。
  2. データ解析スキル
    戦略立案と事業運営に、データの活用は必須となります。目指すべき方向性と達成すべきKGI・KPIなどをデータから定量化し、またその裏側にある顧客を指向読み解くために、データ解析スキルが必要です。
  3. 事業推進スキル
    事業の変革には、多くの関係者の協力が必要となります。そのためには、ロジカルかつシンプルにやるべきことを提案でき、丁寧なコミュニケーションをもって関係者を巻き込んでいくスキルが必要となります。

これらのスキルは非常に高度な能力です。長年の経験が必要のようにも思えますが、これから「デジタル・ネイティブ」と呼ばれる世代が社会に輩出されてくことで、必要な経験値はさらに変化していくものと思われます。

デジタル・ストラテジストの年収

世界最大手のIndeedのデータによると (2020年7月現在) 、「Digital Strategist」の米国での平均年収は690万円程度 ($64,846) となっています。

(引用:Indeed)

「Digital Marketer」の平均年収が$61,145ですので、デジタルマーケティング職の中でも高い平均値となっています。

デジタルストラテジストとして知っておきたい用語

デジタル・トランスフォーメーション

デジタル・トランスフォーメーション」(Digital Transformation:以下、DX)は、企業がテクノロジーを利用することで、これまでの事業に大きな変革をもたらすことを目的としています。デジタルシフトも同義語となります。

現在、DXが必要とされる背景には、多くの市場において、既存の業態のあり方を破壊する新規参入者が登場してきたことにあります。そのために、既存企業においても破壊的な変革が求められています。

DXにおいて、既存システムをクラウド化する、またはRPA化するといった行動は各論でしかありません。最も重要なのは、「破壊的な新規参入者に対抗できるビジネスモデルを構築する」ことにあります。

(引用:DXとは何か

Summilux 50/1.4, RDPIII, Leica M7 @Lake District, UK月曜日の夜、データサイエンティスト協会(以下DS協会)スキル定義委員会で「DXって何?」という話が出た。DS協会スキル定義委員会は、これまでもデータサイエンティストのミッション、定義、求められる3つのス...
DXとは何か? - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience ... - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - B...

このようにDXは、市場をデジタルを軸に新たに定義することによって、変革を成功へと導きます。

統合マーケティングコミュニケーション

統合マーケティング・コミュニケーション」(Integrated Marketing Communication:以下IMC)は、外部環境や消費者データから統合的なメッセージでブランドを管理する手法です。

「IMCの父」と呼ばれる、ノースウエスタン大学のドン・シュルツ教授によれば、IMCを「消費者から出発し、あらゆる手法を駆使して、説得力あるコミュニケーションを実践するプロセスである」と定義づけしています。

IMCは、広告などのクリエイティブを統合することが目的ではなく、ブランドの投資対効果(Return On Investment:以下、ROI)を最大化することにあります。そのために、全てのコンタクトポイントにおけるブランドメッセージを統合して管理することが必要となります。

IMCにおいてその時に最も重要なのは、消費者から出発するという点です。

消費者データベースを構築し、セグメンテーションを通じてそれぞれの顧客体験を最大化するメッセージづくりとROIの管理を行っていきます。デジタルは、これらの分析・体制づくり・ROI管理を最適化することに最も適しています。


IMCの概念は1990年代初頭からありますが、近年のDX推進の流れから見直される理論です。デジタル・ストラテジストとしても、新旧の理論をうまく取り入れながら、事業の変革に努めていきましょう。

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アフィリエイト・マネージャーの役割や平均年収と必要なスキル https://www.wplng.com/20190720/ Mon, 20 Jul 2020 11:55:46 +0000 https://www.wplng.com/?p=1873 アフィリエイトマーケティング」という用語を耳にした時、「個人が収益をあげるためのもので企業には関係ない」「質の低いコンテンツで検索エンジンから評価されなくなっている」というようなイメージを持つ方も少なくないのではないでしょうか。

確かにそのような側面で語られることも多いアフィリエイトマーケティングですが、昨今は非常に透明性が高く、メディアとしての価値が高いアフィリエイトパートナーが存在します。そして、対象とする事業領域におけるそのようなパートナーをマネジメントするのが、「アフィリエイトマネージャー」です。

アフィリエイト・マネージャーの役割

前述のように、日本国内ではGoogleの検索アップデートの影響から、以前の勢いを失っているようにも感じる「Affiliate」ですが、Google トレンドでは一定規模の市場を持って推移し、ここ数年ではさらに回復傾向のようです。※この検索規模は、アフィリエイトパートナー側の需要と考えています。

同様なニーズとして検討される事も多く、海外ではアフィリエイトよりも主流と言われる事もある「Dropshipping」と比較しても、差は縮まりつつあるものの、以前倍以上の検索規模を持っています。

矢野経済研究所の調査においても、毎年約10%の伸び率で成長を続けているようです

これは、パートナー増加という面の拡大ということでなく、「より対象事業にとって良質な顧客獲得に向けたパートナーシップ」をミッションとするアフィリエイトマネージャーと、透明性をもってメディア運営にあたるアフィリエイトパートナーとの関係性への価値が向上していることが考えられます。

このような現状から、アフィリエイトマネージャーは、アフィリエイトを単純な広告面と考えるのではなく、事業の良き理解者としてパートナーへのアプローチを継続的に行って必要があります。

アフィリエイト・マネージャーの年収

世界最大手のIndeedのデータによると (2020年7月現在) 、「Affiliate Marketing Manager」の米国での平均年収は660万円程度 ($61,660) となっています。

(引用:indeed.com)

Digital Marketer」は同時期調査で「$61,027」となっているため、デジタルマーケティング職と同等の市場価値と思われます。

アフィリエイト・マネージャーに必要なスキル

SNSも含めた優秀なパートナーを探す

アフィリエイト担当になった際、これまでは広告代理店にメディイア開拓と運用を任せ、定量的な効果測定だけを行っているケースも多く見られました。

しかし、メディアとして良質なクオリティを持って運用する事ができるパートナーは非常に限られます。広告代理店任せの運用では、この優秀なパートナーは競合他社との関係性を強化していってしまいます。

優秀なパートナーは、その領域に深い知見を持ち、SNSでもそれらを有効に発信して集客を行っています。アフィリエイトマネージャーとしても、検索だけでなくSNSなども通じて、パートナー獲得に当たる必要があります。

EPCを最適化しサービスの体験価値をあげる

EPC」とは、Earn Per Clickの略で、「広告1クリックあたりの収益」のことです。アフィリエイトパートナーは、対象となる事業や広告クリエイティブに対し、その広告プログラムを選ぶ際の指標として活用しています。

EPCは、次の計算式によって求められます。

EPC = アフィリエイト報酬金額 ÷ 広告クリック数

EPCが大きいほど、パートナーにとって有益な広告となります。そのため、競合他社とのEPCを比較しながら、最適化していく必要があります。

その際、単純に「コンバージョン率」や「報酬額」を上げればよいというわけではありません。EPCはあくまでアフィリエイトパートナーにとっての基準でしかなく、実際に商品やサービスを利用するのはエンドユーザーになります。

その後の体験も含め、体験価値をあげ、クチコミなどの形で信頼性が向上することで、EPCも結果として向上します。

もちろん、コンバージョンポイントの見直しなども重要となりますが、それも体験価値と連動して考える必要があります。

パートナーとのリレーションを大切にする

昨今は、誰でも条件を満たせば参画できる「オープンASP (Affiliate Service Provider)」よりも、パートナーと直接対話をしながらコンテンツや成果について両者で締結することを前提とした「クローズドASP」が大きな成果を挙げています。

成果報酬体型も、優秀なメディアに至っては、コンバージョンではなくインプレッション課金となるケースも見受けられます。

このようなメディアとの関係性を維持する活動は、広報部門におけるメディアとの関係構築にも通じると言えるでしょう。アフィリエイトマネージャーには、今後さらにそのようなスキルが必要となります。


アフィリエイトマネージャーの仕事は、既に一広報部門と同様のミッションを持っています。むしろ、パートナーを通じた透明性や客観性のあるコンテンツを通じて、顧客獲得という直接的な成果を求められる重要なポジションとなります。

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日本発のマーケティング https://www.wplng.com/20200719/ Sun, 19 Jul 2020 05:39:35 +0000 https://www.wplng.com/?p=1866 マーケティングが国境を超えて重要視される事が当たり前になった印象のある現在ですが、その理論はいまだ欧米を中心に展開され、日本はそれを受け入れる側であるケースがほとんどではないいかと感じています。

しかし、現代経営学の発明者と呼ばれるピーター・ドラッカーによれば、マーケティングの起源は、三越の前進である「三井越後屋呉服店」とされています。またドラッカーは、NPOの起源も日本の「寺院」にあるとしており、社会貢献を重視したビジネス・マインドは、日本本来の強みと言ってもよいでしょう。

「日本特有の文化がマーケティング理論として世界に発信できないか?」を、この1年弱のあいだ考えていた中で目にしたのが、本書である「日本発のマーケティング」です。

日本におけるメディアと消費者行動のファクトが充実した良書

本書が発売されたのは、2013年7月とすでに7年が経過しています。SNS活用のあり方は、この7年でも大きく変化しているものの、マスメディアの活用状況も含めた全世代を網羅する消費者行動論にとっては、本書は現在でも非常に有効なデータが数多く列挙されており、そのファクトを基とした日本特有の行動理論につながっていく流れは、一読の価値が非常に高いと感じました。

既存のフレームワークを日本語に置き換える創造性

本書でも注目すべき点は、「既存のフレームワークを、馴染みのある日本語で置き換える」点にあります。

STPと「聞き耳」

フィリップ・コトラーが提唱したマーケティングフレームワークの1つに、「STPマーケティング」があります。

市場に対し「セグメンテーション」を行い、競争優位性を得られやすい「ターゲティング」と「ポジショニング」を決定していくプロセスは、時代とともにさらに細分化されたCRM(Cutomer Relationship Management)へと進化を遂げています。

これに対し、「はや耳」「聞き耳」「むれ耳」「そら耳」「とお耳」といった、「情報感度と採用度」を軸とした行動分析が、本書では行われています。中でも、関心分野が広くコミュニケーション能力も高い「聞き耳層」に以下にアプローチするか?が、本書の最後に提唱される「循環型マーケティング」では重要とされています。この理論に、新たなSTPマーケティングのありかたを目にした感覚をおぼえます。

イノベーション理論と「目利き」

例えば、サービスや技術が消費者にどのように普及していくか?を説明する「普及学」に「イノベーション理論」というものがあります。

イノベーションの普及プロセス(引用:Wikipedia)

新しいものが発表された際に「イノベーター」や「アーリーアダプター」といったそうから採用され、最後に「ラガード」と呼ばれる保守的な層にも採用されることで普及する、といったプロセスです。

本書で明確にこの理論が説明されているわけではありませんが、これを踏まえて各メディアにおける情報収集能力と精緻化・言語化に長けた「目利き」の存在はまさにアーリーアダプターやオピニオンリーダーを日本ならではの感覚で置き換えられたものです。

以前、とある飲料水メーカーのインタビュー調査における課題を抽出したところ、「調査対象となっている商品が何か?を分からずにインタビューに答えてしまう」といったものが上がってきました。これは決してパネルの抽出ミスではなく、ブランドを認知しようとすることすら、情報過多の時代では行動として行われないことを示しています。

そのため「”意見する消費者“の現在の消費意識をインタービューし、それを2年後の需要予測に活かす」といった事を行いました。まさに、「目利きによる需要予測」です。

このようなところにも、日本特有の表現によるマーケティングのあり方が見受けられます。

日本ならではの言葉でマーケティングをすることの重要性

消費者との永続的な関係を構築しようとするマーケティングにおいて、マーケティングそのものが非常に難解であり、かつ「マーケティングされることを嫌う」風潮があることも日本を知る上で重要な点だと感じています。

その中で、このような「日本らしいマーケティングのあり方」を考える一冊は貴重と言えます。特に「マーケティングとは何か?」を一度立ち止まって考えたい時になどおすすめな一冊です。

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ハイプ・サイクルからMarTechの潮流を先読みする方法 https://www.wplng.com/20200614/ Sun, 14 Jun 2020 07:17:40 +0000 https://www.wplng.com/?p=1810 マーケティングテクノロジーは、アドテクノロジーに限った話ではありません。エンドユーザーが利用するテクノロジーの全てに、マーケティングとの関わりがあります。

テクノロジーは、サービス体験そのもののあり方を変革する力を持っています。ただしそのために必要な技術を取り入れ改善するには、MarTechの潮流を追いかけるのではなく「先読み」する力も必要です。

マーケターとしてテクノロジーの期待度や浸透度を知る手段として「ハイプ・サイクル」があります。ハイプ・サイクルとは何か?と併せて、現在の動向を知りましょう。

ハイプ・サイクルとは?

ハイプ・サイクルとは、米国のITリサーチ企業であるガートナー社が提唱する、注目度の高い技術の状況を示す曲線の事を言います。

ハイプ・サイクル(引用:Wikipedia

ガートナー社は、1995年に最初のハイプ・サイクルを発表して以降、年に一度の更新を続けています。

ハイプ」とはメディアによる「誇張」を意味します。ハイプ・サイクルは、メディアによる過度な期待から話題性の終焉を経て、安定期までの流れを知ることができるものです。

あくまで「話題性」がグラフ化されたものであり、技術的な進化や衰退を示すものではない点に注意してください。

ハイプ・サイクルの段階

ハイプ・サイクルには、5つの段階が存在します。

1. 黎明期 (技術の引き金:Innovation Trigger)

ハイプ・サイクルの最初の段階です。新しい技術として発表され、報道などを通じて関心が高まる時期です。

2. 流行期 (過剰期待の頂:Peak of Inflated Expectations)

世間の注目が大きくなり、過度の興奮や期待となる時期です。”「過度な期待」のピーク期“とも表現されます。多くのメディアで連日その技術が取り上げられるようになります。

3. 幻滅期(幻滅のくぼ地:Trough of Disillusionment)

メディアにおける関心が減少し、話題として取り上げられなくなる時期です。前述のとおり、あくまでメディアの話題性としてのくぼ地であり、技術的な終焉を意味するわけではありません。

4. 回復期(啓蒙の坂、Slope of Enlightenment)

メディアが対象の技術を取り上げることがなくなる一方で、技術に対する利点や適用する方法が理解されるようになります。

5. 安定期(生産性の台地、Plateau of Productivity)

技術が徐々に安定して導入されるようになり、第二世代、第三世代へと進化する時期です。

ハイプ・サイクルは、特定の技術に対して現在の話題性を測るために見るよりも、様々な技術のトレンドや実用化の時期をウォッチし続けることに意味があります。

ある技術は流行期に話題となるものの、幻滅期には消滅することもあります。そして、同じような概念でありながら別の名称や技術として黎明期に現れるものもあります。また、幻滅期に入った技術は、話題にはならないものの、実用化の機会が訪れ始めていることにもなります。

このように、テクノロジーの変遷を俯瞰的に読み取り、事業や商材へと取り込んでいくことが重要となります。

2019年度におけるテクノロジーのハイプ・サイクル

2019年8月30日、ガートナー社が最新テクノロジのハイプ・サイクルを発表しました

先進テクノロジのハイプ・サイクル:2019年 (引用:ガートナー ジャパン)

5G元年と言われる2020年ですが、その「5G」が流行期としてピークを迎えています。IoTなどから収集されるビッグデータをリアルタイムに解析・予測・意思決定する「エッジ・アナリティクス」も、同様に流行期のピークに向かおうとしています。

併せて、2018年度のハイプ・サイクルと比較してみましょう。

先進テクノロジのハイプ・サイクル:2018年 (引用:ガートナー ジャパン)

5Gは2018年度は黎明期にカテゴライズされていました。5G元年と呼ばれるにふさわしく、現在がまさにピークへと変化しています。

一方、エッジ・アナリティクスは2018年度のハイプ・サイクルには、その名称すら存在しません。これについて、ガートナー者のプレスリリースでは以下のような記述があります。

2019年版の「先進テクノロジのハイプ・サイクル」では方針を見直し、過去の同ハイプ・サイクルでは取り上げていなかった最新テクノロジを紹介することに注力しました。このため、2018年版に掲載されたテクノロジのほとんどが2019年版では除外されていますが、そうしたテクノロジが引き続き重要であることに変わりはありません。

ガートナー ジャパン

いくつか解釈のしかたはありますが、エッジ・アナリティクスは、隣接する「AI PaaS」と併せて「高度なAI/アナリティクス」として、5つの先進テクノロジ・トレンドとして取り上げられています。いずれにせよ、今後のアナリティクス市場が注目を浴びていることは間違いありません。

2019年度におけるCRMのハイプ・サイクル

ガートナー社は、テクノロジだけでなくCRMについても、ハイプ・サイクルを発表しています

日本におけるCRMのハイプ・サイクル:2019年 (引用:ガートナー ジャパン)

今後、顧客視点でデジタル体験を最適化するマーケティング手法として注目され始めている「デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム」は黎明期として取り上げられています。現在の市場と併せて、同様に黎明期に並ぶ技術に着目することも、今後のMarTechトレンドを先読みすることに貢献するでしょう。


MarTechは、新しい技術ほど「PoC (Proof of Concept:概念実証)」と呼ばれる実用性の検証も必要であり、そのための投資は大きくなります。

しかし冒頭で述べたとおり、サービス体験のあり方をいち早く変革し、顧客ロイヤルティを高めることは、強力な差別化要因となります。

そのためにも、マーケターにとってハイプ・サイクルから事業にあった技術をウォッチし、実用時期を見極めることはとても有益であると言えるでしょう。

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「デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム」 デジタルマーケティングの新手法 https://www.wplng.com/20200526/ Mon, 25 May 2020 15:00:00 +0000 https://www.wplng.com/?p=1785 デジタルエクスペリエンスプラットフォーム」 ( Digital Experience platform、以下 DXP ) は、顧客のデジタル体験を最適化するために提供される統合型のプラットフォームです。

デジタルマーケティングの進歩とともに、あらゆるシステムもその機能を進化させてきました。近年、このDXPをただのシステムとしてでなく、これを活用したマーケティング手法として、米国を中心に注目が集まっています。

DXPの定義

DXPは、2015年ごろに米国の調査会社によって生まれた言葉です。

近年、IT市場の調査会社としてなくてはならない存在となったForester Research社によれば、DXPとは

「あらゆる顧客接点で一貫したエクスペリエンスを管理、提供、最適化するためのソフトウェア」

顧客は誰の管轄か。フォレスターのアナリストに聞く、新技術領域「デジタルエクスペリエンス プラットフォーム(DXP)」とは? – Adobe

と定義され、シーズンごとにDXP市場のリーダーを評価した報告書を発表しています。

また同市場の調査会社として老舗であるGartner社においても同様にDXPという言葉を用いて評価をおこなっており、その定義は、

様々なオーディエンスに、多岐にわたるデジタルタッチポイントでパーソナライズされた情報を提供する一貫したアプリケーション

Digital Experience Platform Market – Gartner

とされて、同様に市場レポートを発表しており、この結果を利用した各ベンダーによるマーケティング活動も盛んに行われています。

ガートナー社が発表するデジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)分野に関する2020年版調査レポートMagic Quadrant for DXPにてアクイアが「リーダー」に選出されました。
Gartner(ガートナー)社発表、2020年版 Magic Quadrant for DXP にてアクイアが「リ... - Acquia
Liferay is a Leader for the 10th Year in the 2020 Gartner MQ for Digital Experience Platforms. See why Liferay maintained its position as a Leader. See the report.
Gartner's Magic Quadrant for Digital Experience Platforms (DXP), 2020 | ... - www.liferay.com
ガートナー社では、デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)を「状況に合わせたデジタルエクスペリエンスの構成、管理、配信、最適化をマルチエクスペリエンスのカスタマージャーニー全体で実現するために統合、凝縮された技術」と定義しています。
Gartner Magic Quadrant for Digital Experience Platforms 2020 - www.sitecore.com

既存システムとDXPの違い

これまでのCMSやCRMといったマーケティングシステムは、導入する企業にとってどうあるべきか?について設計されることが主流のシステムでしたが、DXPは、「顧客にとってどうあるべきか?」を基盤に設計し直されているものとされています。

とはいえ、DXPはこれまでのシステムと異なる流れで生まれたものではなく、多くはデジタルマーケティングとともに進化する必要があったエンタープライズCMSやCRMが、より多くのデジタルタッチポイントとコミュニケーション手段を持つように進化してきた結果生まれたものです。

そのために、リーダーとして選出される企業も、SalesForceやAdobe、SiteCoreといった、CRMやCMSを中心に、複数のマーケティングソリューションを買収や統合しながら統合型と成長した企業がリーダーとして選出されています。

ユーザー体験の「エンゲージメント」による統一化

これまでも、企業は様々なタッチポイントをつうじてユーザーとのコミュニケーションを図ってきました。インターネットが様々なデバイスに搭載され、IoTとWebの境界線が曖昧になる中、管理すべきタッチポイントとコンテンツの数も多岐にわたってきています。

これに対し、ユーザー自身が「ブランド体験を統一してほしい」と要望があります。

WebやEメールといった狭義のウェブ・コンテンツ・マネジメントにとどまらず、あらゆるタッチポイントへのコンテンツのデリバリー方法も含めて統一されたDBとシステムによって、これらを統合していく必要があります。

結果、これまでのコンバージョンに向かうマーケティングファネルと併せて、「エンゲージメントを加えたマネジメントシステム」が必要となるでしょう。

マーケティングファネルにおいては、メールや広告などの流入に対するコンバージョンプロセスを評価することしかできません。これに対し、エンゲージメントを加えたマネジメントシステムを構築することで、コンテンツやコミュニケーションのあり方をエンゲージベースで見直すことができるようになります。

そして、エンゲージとコンテンツ、コミュニケーションを支援する中核が、「AI」となります。AIは、マーケターの業務を奪う存在ではなく、エンゲージメントを最大化する活動を支援する存在となります。

この仕組みを用いたDXPは、最終的にはエンゲージマネジメントを人が担い、複雑化するコンテンツやコミュニケーションのマネジメントはAIとともにシステムが担うことになるでしょう。

日本においては、未だCMSやCRM、MAといった各システムごとの評価や導入が議論されている現状があります。しかしながら、エンタープライズ市場に限らず低価格帯のシステムにおいても遜色ない機能を持つ現在、今後はDXPを単なるシステムではなく、デジタルマーケティングの中核として機能させるべき概念になっていくことは間違いないでしょう。

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ブラウザフィンガープリントとは?ユーザー特定の方法と規制動向 https://www.wplng.com/20200524/ Sun, 24 May 2020 01:53:08 +0000 https://www.wplng.com/?p=1769 個人情報保護法改正案が閣議決定され、日本においてもCookie規制が行われようとしています。Cookieに代わる技術とそれらに対する規制がいくつかあるなか、ここでは「ブラウザフィンガープリント」について解説します。

フィンガープリントとは

ブラウザフィンガープリントという名称の元である「フィンガープリント」は、直和訳すると「指紋」のことです。様々な環境情報をつなぎ合わせて「ハッシュ化」と呼ばれる暗号化を行い管理することを総称して、フィンガープリントと言います。

例えば、メールや各種コンテンツの改ざんが行われていないか?をこの技術を用いて管理することを「コンテンツフィンガープリント」と言われる技術です。

ブラウザフィンガープリントとは

ブラウザフィンガープリント」とは、ブラウザを通じて得られる様々な情報をつなぎ合わせてハッシュ化することで、ユーザーをユニークなものとして特定する技術です。

利用される情報は、Webビーコン方式のアクセス解析ツールで取得できる情報になります。

ブラウザフィンガープリント
ブラウザフィンガープリント

これにより、Cookieよりも正確性には劣るものの、一意の識別子でユーザーの閲覧履歴などを保存し、利用することができます。

ブラウザフィンガープリントの利用方法

ブラウザフィンガープリントを実装する方法に、Githubmにて公開されているオープンソースライブラリである、「FingerPrint2」の利用があげられます。

Modern & flexible browser fingerprinting library. Contribute to Valve/fingerprintjs2 development by creating an account on GitHub.
Valve/fingerprintjs2 - GitHub

ハッシュ化には30項目に近い情報が用いられ、FingerPrint Pro では99.5%の識別精度をもっているとのことです。

このようなオープンソースライブラリを使うことによって、ブラウザフィンガープリントの実装はそれほど難しいものではなくなっています。

ブラウザフィンガープリント規制に関する動向

ブラウザフィンガープリントも結局は個人情報保護の規制対象として見られています。Googleは、2019年8月にCookieと併せてフィンガープリントについても規制をしていく方針を発表するとともに、「プライバシー・サンドボックス」の提案を始めています。

グーグルは、ユーザーをウェブ上で追跡することを難しくする、新しい長期的な取り組みを発表した。完全に実現されれば、オンラインのマーケティングや広告業者にとって打撃となる。
Googleはウェブのプライバシーとフィンガープリントの新たな対策を提案 | TechCrun... - TechCrunch Japan

また、ブラウザフィンガープリントはEUが定める「GDPR」( General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則 ) の対象になると考えられており、Cookie利用時と同様の対策も必要です。


Appleが展開するブラウザSafariにおける「ITP」の動向も含め、個人情報保護に関連する動きは常時変更がされているため、その動向を注意深く追いながら、適切に対処していく必要があります。

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SEOスペシャリストの役割や平均年収と必要なスキル https://www.wplng.com/20200523/ Sat, 23 May 2020 07:05:18 +0000 https://www.wplng.com/?p=1753 デジタルマーケティングにおける職種のなかでも、「SEOスペシャリスト」は黎明期から必要とされていた職種であり、かつ時代とともに必要なスキルが最も変化し続ける職種でもあります。

世界における検索ニーズで見ると、「SEO Specialist」の検索ボリュームの推移は、かつては「Web Marketer」、現在では「Digital Marketer」と同程度の量をもっており、デジタルマーケティングに関する名称が変化しようとも、SEO Specialstのニーズは増加傾向にあるようです。

昨今では、検索エンジンよりもSNSで情報収集するユーザーが増加したことで「検索エンジン離れ」とも呼ばれる現象が置きていますが、それでも顕在化したニーズに対するプル型のマーケティング手法を用いるSEOスペシャリストが必要であることには変わりないようです。

SEOスペシャリストに必要なスキル

旧来のSEOは「検索エンジンにおける上位表示」を目的としたテクニカルなマークアップ (内部施策) と、外部リンクを増やすための活動 (外部施策) がメインとされており、必要なスキルもその施策知識であるとされる傾向がありました。

しかし現在、SEOは対象ビジネスをコンテンツ化して顕在ユーザーに届ける存在として、下記のようなスキルが必要と言われています。

  1. 戦略立案スキル
    検索ボリュームの多いワードに対し、検索結果での上位表示を目指すだけでは、対象ビジネスを成功に導くことはできません。
    そのビジネスがユーザーのどんなニーズを対象としており、それらがどのような検索キーワード”群”をなしているか?を探り出しながら、検索エンジンを通じたコミュニケーション戦略へと落とし込んでいきます。
  2. 調査スキル
    上記のような戦略立案のためには、徹底した調査が必要となります。かつ、ここでいう調査はユーザーニーズを潜在的なところから捉えるだけでなく、検索エンジンに特化した調査ツールを利用した競合調査を行う必要があります。
  3. テクニカルスキル
    ここでいう「テクニカル」は、HTMLやプログラミング言語に対するスキルです。様々な条件によってマークアップルールを変化させる必要があるSEOにおいては、そのルールづくりも必要なテクニカルスキルとなります。
  4. 研究スキル
    検索エンジンの評価基準は常に変化します。他のスペシャリストが発信する情報だけでなく、自身の複数メディア運用による順位変更を通じて、評価基準の変化を日々研究していく事が必要となります。
  5. クリエイティブスキル
    コンテンツの質が重要と言われる昨今、キーワード占有率などの定量的な指標ではなく、ユーザーに信頼されるコンテンツづくりが必要です。それにはライティングにとどまらず、創造性をもった魅力的なコンテンツづくりということで、クリエイティブスキルとしています。

これらのスキルを通じながら、ユーザーに対象ビジネスを見つけてもらい、コンテンツを通じたコミュニケーションから関係性を築く存在が、SEOスペシャリストとなります。

SEOスペシャリストの年収

世界最大手のIndeedのデータによると (2020年5月現在) 、「SEO Specialist」の米国での平均年収は570万円程度 ($52,884) となっています。

(引用:Indeed)

Digital Marketer」を基準とした場合、Digital Marketerの平均年収は650万円程度 ($61,356) であり、それよりは下回る傾向です。

(引用:indeed.com)

SEOスペシャリストが狭義の「検索エンジン最適化」にとどまっている「SEO担当者」の場合では、国内の求人を見ても同様の傾向が見て取れます。

(引用:Indeed)

しかし、上記のような戦略性と創造性に優れたスペシャリストは、職位も含めてより高い年収となります。

SEOスペシャリストとして知っておきたい用語

1. DECAX

DECAX」は、電通デジタル・ホールディングスの内藤氏によって提唱された、コンテンツマーケティングにおける消費者行動モデルです。

これまで広告では、AIDMAやAISASが購買行動のモデルとして使われてきました。けれど、ソーシャルメディアで情報が広がり、生活者がコンテンツからコンテンツへ移動してい
本当のところ、みんな、どんな行動をしている? | ウェブ電通報 - dentsu-ho.com

DECAXは、下記の頭文字を取ったもので、フィールドを検索エンジンだけを対象とせず、SNSやデジタルPRなども発見される場としています。

  • Discovery (発見)
    ターゲットにコンテンツを「発見」してもらうフェーズです。ターゲットニーズが顕在化している場合は検索エンジンが有効ですが、SNSやデジタルPRなどを通じて、潜在層による発見もきっかけの一つとなります。
  • Engage (関係)
    ターゲットが信頼し関心をもつコンテンツから関係性を深めるフェーズです。繰り返し来訪してもらう事により、エンゲージメントを高めていきます。
  • Check (確認)
    これまでの信頼などからその商材を利用してよいか?を確認する、購買の手前のフェーズです。広告などの情報も含めて、何らかの理由で離脱されるケースもあり、コンテンツとしての質の一貫性が問われます。
  • Action (購買)
    その商材を利用するフェーズです。
  • eXperience (体験)
    利用を通じて体験し、それを共有するフェーズです。また、繰り返し利用するものにおいては体験がその後も続くことになります。これらの体験は、コンテンツを通じて得た信頼が、さらに向上するか否かで、共有度や継続率へと反映されます。

SEOスペシャリストにおいて戦略策定スキルが必要なことは前述のとおりですが、今後はよりエンゲージメントを重視したコンテンツ施策が、質だけでなく事業への影響につながっていくことでしょう。消費者行動モデルは時代とともに変化していきますが、現在の施策の流行として捉えるのではなく、コンテンツとエンゲージメントの関係性を追求することは、SEOスペシャリストに必要な行動です。

2. TF-IDF Cos類似度推定法

TF-IDF」とは、単語の出現頻度を意味する「Term Frequency」と逆文書頻度を意味する「Inverse Document Frequency」の組み合わせにより、単語の重要度を算出する評価手法です。

インターネットの世界に特定して言うと、世の中の様々なコンテンツで出現頻度が高い用語はIDFにより重要度が下がり、とあるサイト内コンテンツで出現頻度が高い用語はTFにより重要度が上がります。

一方「Cos類似度」とは、用語を何らかの形でベクトル (矢印) 化し、用語同士の類似度をベクトルの角度で示す手法です。2つのベクトルのなす角が小さいほど類似度が高く、大きいほど類似度が低くなります。

このTF-IDF Cos類似度を用いて、検索エンジンやSEOツールは各コンテンツを評価し、検索順位の評価手法の1つとしたり、新たなコンテンツ制作の方向性を示したりしています。

この評価手法には莫大な学習が必要であり、そのために機械学習や深層学習が利用されています。ツールや検索エンジンが用いるこのような手法をブラックボックスとせず理解して多くことも重要です。


変化の早いデジタルマーケティングのなかでも、事業への影響が高いのがSEOスペシャリストに課せられる業務です。各サービスのトレンドと併せて、その裏側にある技術やターゲットの行動論を身につけましょう。

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コミュニティ・マネージャーの役割や平均年収と必要なスキル https://www.wplng.com/20200511/ Sun, 10 May 2020 15:00:00 +0000 https://www.wplng.com/?p=1732 SNSが人々の生活に浸透した現在、「コミュニティ・マネージャー」という職業に注目が集まっています。

本来、「Community Manager」という用語は目新しいものではなく、検索トレンドで見ても2004年から一定数の検索量はありました。これは、コミュニティを社会的な共同体としてマネジメントすることを目的に検索されていたと思われます。

これに対し、企業において事業利益に関するコミュニティの醸成を目的とする「Community Manager」が、FacebookなどのSNS活用が盛んになる2010年頃を機に検索数に加わることで伸び始め、現在でもその勢いは止まりません。同様な意味で使われる「Social Media Manager」の検索推移と比べても、同じような伸びを見せています。ここでは、この事業利益を目的としたコミュニティマネージャーについて解説します。

コミュニティ・マネージャーの役割

コミュニティマネージャーは、オンライン、特にSNSを中心にコミュニティを形成し、育成のためのマネジメントをします。具体的には、以下のような活動を行います。

  1. 顧客とつながる「場」をつくる
    主にはSNSとされていますが、オフラインイベントも含めた場を作ります。SNSという既存のネットワークの中で、対象となる商品やサービス (便宜的に「ブランド」と呼びます) を認知させる事も場づくりの1つです。
  2. エヴァンジェリストを見つけ (育て) 、つながりを強化する
    コアなファンはそのブランドについて情報を発信してくれる「エヴァンジェリスト」となります。新たなファンの創出にも貢献するエヴァンジェリストとの関係性を深めていきます。
  3. 顧客の声を聞き、答える
    顧客の声を素早く収集するには、SNSは最も適したメディアです。とくにポジティブな内容よりも、アンケートでは収集することのできない細やかな疑問や不安を取り除くためのコミュニケーションを行います。
  4. 関連性の高い他ブランドとのコラボレーションを図る
    1つのブランドでは、アイデアやプロモーションの幅が限られます。ロイヤルティの関連性が高い他企業のブランドとコラボレーションすることで、イノベーティブなアイデアやキャンペーンを通じて、新たな顧客を創造することができます。
  5. 顧客と一緒にサービスをつくる
    熱狂的なファンであればあるほど、アイデアに対価を求めず参加意欲が高くなるだけでなく、当事者では気づかない価値を思いつきます。このようなファンの声を拾い上げ、サービスに反映させていくきっかけをつくります。

このような活動を通じて、最終的には「コミュニティ参加者のロイヤルティを向上させる」のが、コミュニティマネージャーの役割です。一般的なプロモーションは「いかに売るか?」を目的に顧客視点を持ちますが、コミュニティマネージャーはブランドの主体でありながら、「顧客そのもの」であり「顧客の頂点」であることが大切となります。

コミュニティ・マネージャーの年収

世界最大手のIndeedのデータによると (2020年5月現在) 、「Community Manager」の米国での平均年収は540万円程度 ($50,446) となっています。

(引用:indeed.com)

Digital Marketer」を基準とした場合、Digital Marketerの平均年収は650万円程度 ($61,356) であり、若干下回っているようです。

(引用:indeed.com)

しかし、ヒストグラムの型でみた場合、「Digital Marketer」は年収の高い求人の影響を受けている可能性があり、「Community Manager」はそれよりも安定的に高い年収であるようにも見えます。

コミュニティマネージャーの必要性が高まる中、事業成果にさらに連動するとの認識が高まれば、さらに価値は高まるものと思われます。

コミュニティ・マネージャーとして知っておきたい用語

1. パブリックナラティブ

パブリックナラティブ」とは、ハーバード・ケネディスクール公共政策の上級講師であるマーシャル・ガンツ博士が提唱するストーリーテリングの新たな型のことであり、「コミュニティオーガナイジング」のアクションの1つでもあります。

市民の力で、社会は変わる。 コミュニティ・オーガナイジング(Community Organizing、以下CO)は、市民の力で自分たちの社会を変えていくための方法であり考え方です。 オーガナイジングとは、人々と関係を作り …
コミュニティ・オーガナイジングとは|Community Organizing JAPAN コミュニティ・... - Community Organizing JAPAN コミュニティ・...

これまでのストーリーテリングは、ブランド側が顧客に寄り添いながらも「一方的に」物語を伝えるものだったのに対し、パブリックナラティブは、相手の価値観や経験に対して「共感を得る自身の物語 = Story of Self」を通じて「コミュニティの一体感を創出 = Story of Us」し、「今何をするべきか? = Story of Now」を共につくります。

この手法は、2008年の米国大統領選挙において、資金力や大きな支持基盤がなかったバラク・オバマ氏を初の非白人大統領へと導いた手法として注目されました。

本来は、ソーシャルビジネスにおけるコミュニティリーダー論のほうが当てはまるものですが、今後より社会性が問われる資本主義経済下の企業においても、このパブリックナラティブな価値観が、コミュニティマネージャーには問われることでしょう。

2. スモールマス

SNSにおけるコミュニティ形成と言われた場合、大企業における広報アカウントをイメージされる方も少なくないでしょう。しかし、中小企業であってもブランドを世に認知させ、ファンを増やすための活動をしなければいけません。

多額な広告をかけられるわけではない状況では、より「ファンとなる顧客層」の価値観やニーズを深く理解し、それに答えるためのブランドのあり方と発信が必要となります。

この「一定規模見込まれるコアなファンを軸に一般 (マス) にブランドを拡げる」事を、「スモールマス」と言います。

スモールマスは、一般的なターゲティング戦略よりも、より深いニーズの深堀りからブランド戦略を策定する手法です。

近年、「スモールマス」というターゲティング戦略が注目されています。消費財メーカーによるマーケティング手法として取り上げられていますが、これまでのターゲティング戦略とはどのような点で違いがあるのでしょうか?スモールマスとは?インターネットの普及と消...
「スモールマス」とデジタル時代のターゲティング戦略 - WEBPLA[ウェブプラ]|マーケターのキャリアノ...

コミュニティマネージャーとしてファンの細やかな声を拾い上げ、直接的なコミュニケーションも活用しながら、サービスの向上とファン化につなげていきましょう。


日々新たなSNSが生まれ、年代ごとに活用される傾向も変化していますが、コミュニティマネージャーにとって重要なのは「自ら顧客の代表としてコミュニティを育成していく」ことです。時代の流れをうまく読みながらも、顧客の中に自ら入り、ファンの育成に努めていけるスキルが必要となります。

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ゲマインシャフトとゲゼルシャフト – ウェブ解析士に見るコミュニティの価値とは? https://www.wplng.com/20200509/ Sat, 09 May 2020 06:42:10 +0000 https://www.wplng.com/?p=1715 ※この記事は、2020年1月〜2月に実施された、ウェブ解析士フォローアップ講座での発表内容に関連しています。
※内容は個人の見解に基づいています。

一般社団法人ウェブ解析士協会が運営する「ウェブ解析士」という民間資格の価値については、論者の立場や求める対価によって賛否が分かれるのが現状です。とはいえこの資格は、自身のキャリアとスキルを対外的に説明する上で、資格の名称が一定以上の価値があると判断されることから、現在では3万名を超える方が受講されています。

受講者数推移 ※2010年9月 – 2017年11月

(引用元:一般社団法人ウェブ解析士協会Web

一定の伸びを見せる一方、資格取得後の有資格者に対する活動支援や資格維持のメリットに関してはまだまだ課題が多く、それが冒頭の対価論へとつながっているものと思われます。

この現状に対し、2020年度フォローアップ試験対策講座の中で、以下のような方針を発表しました。

当資格が作られたきっかけは、ウェブ制作者がマーケティングの知見をもつことでスキルの幅を拡げることが目的でした。しかしながら現在、営業職や経営コンサルタントと言った様々な知見を持つ方が、当資格を受講するようになりました。そして、ウェブ解析士会議などのイベントを通じて、特定の範囲ながら人的交流が行われています。

今後、この様々な知見と交流を活発にさせることが「ウェブ解析士の価値」を向上させるものであるとのことから、「コミュニティの育成」を1つの方針として掲げました。

また併せて、ウェブ解析士コミュニティのあり方として、下図を用いて説明しました。

左は「これまでにありがちな」とありますが、いわゆる著名人が開催する「オンラインサロン」に見られるコミュニティ形態を表しています。これに対し、ウェブ解析士コミュニティは、ウェブ解析士マスターが中心となりながらも優先されるべきは個々であり、フラットなつながりの醸成を各部が支援するものとしています。

では、この2つの違いはどこから生まれるものでしょうか?ここで、コミュニティ論の中で提唱される、「ゲマインシャフト」と「ゲゼルシャフト」という言葉から考えてみましょう。

ゲマインシャフトとゲゼルシャフト

この2つの言葉は、ドイツの社会学者であるフェルディナント・テンニースが提唱した、社会進化論の言葉です。

人間が社会や集団を構成する際には何らかの意志が働くものとし、その意志には自然的なものか作為的なものかに二分されるものとしました。この前者を「ゲマインシャフト」、後者を「ゲゼルシャフト」と呼びます。

ゲマインシャフト

共同体組織」とも呼ばれ、組織を構成する一人ひとりのために存在する組織体です。家族のような血縁組織が最小単位として考えられ、社会的な組織である町内会や自治会、学校における部活動やPTA、社会人サークル、広くは宗教法人などが当てはまります。個々がその組織に属することで、個々の満足感を高めることが重要となります。

ゲゼルシャフト

機能体組織」とも呼ばれ、組織そのものに存在意義を持たせた組織体です。営利団体、いわゆる一般企業が代表的なものであり、利益などの目的を達成するためのリソース確保と指揮命令を行っていきます。

古くは共同体による狩りや耕作によって維持されていたゲマインシャフト型の社会は、産業革命以降の利益追求を目的とした資本主義経済の発展により、多くの社会人はゲゼルシャフト型の企業活動に大半の時間を使うようになりました。

しかし昨今、個々の幸福を考える機会や、新たな社会的意義を掲げたスタートアップ企業の台頭により、改めてゲマインシャフトの価値が見直されています。

コミュニティにおけるゲマインシャフトとゲゼルシャフト

※ゲマインシャフト自身を「コミュニティ」と称することから議論の余地がありますが、ここではコミュニティの型に対して双方の違いを考えるものとします。

オンラインサロンは主催者自身がコミュニティの存在価値となり、そのコミュニティに参加する意義と対価の利益関係で繋がりを持つ「ゲゼルシャフト型コミュニティ」であると言えます。

これに対し、ウェブ解析士コミュニティは、あくまで資格を有する者同士が個々のキャリアや事業の発展を意義とし、そのために相互関係を円滑にするために組織が存在する「ゲマインシャフト型コミュニティ」であると考えています。

実際、公式テキストや試験の作成は会員が主体となって行い、価値の向上に努めています。この活動に参加するか否かは個人の意思が尊重され、テキストの内容も活動も何らかの利益関係で左右されるものではありません。今後のコミュニティの発展は、今以上にゲマインシャフト型であるべきと思われます。

この2つの違いが、コミュニティとしての型の違いです。ウェブ解析士は会員同士が切磋琢磨し合いながら、個々が成長していくコミュニティである、ということです。


コミュニティ運営には支部活動が主体となる、と当初は説明していましたが、Withコロナ・Afterコロナ化の社会においては、地域の壁に縛られることなく活動していくことのほうが重要となってきます。

今後は、会員同士が学びあえる「勉強会」のような活動がいくつか生まれることを支援し、「ウェブ解析士を取得する価値」がコミュニティにあることを実感できる環境を作っていきたいと考えています。

勉強会スケジュール

※「ウェブプラ屋」は、MarTechに関する勉強会コミュニティです。どなたでもご参加いただけますが、正解が欲しい方には不向きかと思われます。 ## 開催概要 マーケティングオートメーション(以下、MA)とは、リードと呼ばれる見込み客情報を取得し、実顧客へとつな...
MAごころを、君に - マーケティングオートメーション勉強会 (2020/06/18 19:00〜) - connpass
※「ウェブプラ屋」は、MarTechに関する勉強会コミュニティです。どなたでもご参加いただけますが、正解が欲しい方には不向きかと思われます。 ## 開催概要 マーケティングオートメーション(以下、MA)とは、リードと呼ばれる見込み客情報を取得し、実顧客へとつな...
MAごころを、君に - マーケティングオートメーション勉強会 (2020/05/21 19:30〜) - connpass
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Mautic 導入時に設定 (設計) しておきたい5つのこと https://www.wplng.com/20200504/ Mon, 04 May 2020 10:10:22 +0000 https://www.wplng.com/?p=1604 オープンソースライセンスのマーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)である「Mautic」は、無償で始められるということから、とりあえず試してみようと検討されている企業やユーザーも多いと思います。

標準の機能でも何となく利用できてしまうのはメリットでもありますが、Mauticでは「コンタクト」と呼ばれるリード管理において、導入時に設定しておいたほうがよいことをまとめてみました。

1. cron設定をする

Mauticの「基本セットアップガイド」でもインストールの次に記載されているため、忘れる方がいないと思いがちですが、そうでもないようです。

各セグメントへのリードの追加やキャンペーンの発動は、自動では行われません。何分おきに実行するか?の間隔を検討の上、忘れずにcron設定をしましょう。

仮に10分おきにコマンドを実行する場合は、下記のような記述になります。

*/10 * * * * /[Install path]/app/console mautic:segments:update --env=prod
*/10 * * * * /[Install path]/app/console mautic:campaigns:update --env=prod
*/10 * * * * /[Install path]/app/console mautic:campaigns:trigger --env=prod

2. カスタムフィールドの利用方針やデータの型を揃えておく

リード情報を管理する「カスタムフィールド」ですが、インストール時点で約40もの項目が既に用意されており、これでも十分でもあります。

しかし、カスタムフィールドにはよく見ると

  • コア:リードの(主な勤務先の情報も含む)個人情報
  • 仕事:企業の業種や売上高などの情報
  • ソーシャル:リードのSNSアカウント情報

の3グループがあります。コアは削除不可のフィールドであり、エイリアス(変数名)も変更できません。かつ、メインメニューの項目でもある「会社」はコアグループに属しており、ユーザーと会社情報がコアに入り混じっています。

カスタムフィールドは作成が自由ではありますが、リード情報の構造が複雑にならないよう、どのフィールドでどのように管理しておくかは事前に決めておきましょう。

カスタムフィールド
カスタムフィールド

併せて、データタイプとして「選択」を利用するなどの型を決めておくことも大切です。他システムとの連携がある場合はもちろん、スタンドアロンで利用する場合でも、選択肢を用意して選ばせる、などのノンストレスなフォーム設計を行う上でも重要となります。

3. リード識別方法に「フィンガープリント」も利用する

Mauticでは、IPアドレスやCookieと併せて、「ブラウザフィンガープリント」を用いたユーザー識別が可能となっています。

個人情報保護法改正案が閣議決定され、日本においてもCookie規制が行われようとしています。Cookieに代わる技術とそれらに対する規制がいくつかあるなか、ここでは「ブラウザフィンガープリント」について解説します。フィンガープリントとはブラウザフィンガープリ...
ブラウザフィンガープリントとは?ユーザー特定の方法と規制動向 - WEBPLA[ウェブプラ]|マーケターのキャリアノ...

フィンガープリント」とは、様々な情報をハッシュ値(暗号化された数値)にした上で、その値同士を照合することで、同一かどうかを判断する技術です。

ブラウザフィンガープリント」では、

  • 利用ブラウザ
  • OS
  • 画面解像度

など、JavaScriptで取得可能な情報を組み合わせてハッシュ化することでユーザーを識別します。これにより、IPアドレスが違ったりCookieが削除されてもリードを特定でき、別リードとなる可能性が軽減されます。

フィンガープリントによる識別を有効にするには、右上の歯車メニューから「設定」>「トラッキング設定」と進み、フィンガープリント (日本語では指紋認証) による識別を有効にしてください。

フィンガープリントの有効化

フィンガープリントは、Cookieなどに有効期限を設ける「ITP」への対策手法と見る動きもあります。一方で、2020年1月には、Mozillaが開発する「Firefox 72.0」においてフィンガープリントの遮断機能をデフォルトとする等の対策も進められています。Cookieに限らず、ユーザー追跡に関する動向は、今後ますます加熱していくでしょう。

4. 閲覧ページタイトルの文字化けを防ぐ

※これは2019年から発生しているバグへの対応でもあり、GithubではIssueにもなっています。完全に技術対応です。

日本語でMauticを利用する場合、コンタクトが閲覧したページタイトルは、無理やりなローマ字表記で記録されてしまいます。

これを正しい日本語で表示させたい場合は、下記ファイルの該当箇所を修正してください。

app/bundles/PageBundle/Model/PageModel.php

// $safeTitle = InputHelper::transliterate($query['page_title']); ←この行をコメントアウト
$safeTitle = $query['page_title']; // ←この行を挿入

この修正により、ページタイトルが正しく日本語で表示されるようになります。※修正前のデータは変更されません。

5. ポイントやステージなどの利用方針を決める

一般のMAツールでいうところの「スコアリング」機能に対し、Mauticの「ポイント」にはマルチスコアリング機能はありません。

代わりにMauticには「ステージ」という機能があり、ポイントとステージを組み合わせることで、リード管理を二次元化できます。

例えば、「セミナーリードとインバウンドリード」などをステージでわけた上で、Webコンテンツ閲覧によるポイントづけなどを行い、キャンペーンを別々に走らせる、といったことが可能になります。

数量的な変化とステージによる区分をうまく設計して、効率的にキャンペーンを実行しましょう。


MAツールは、あくまで「自分たちが行いたいリードジェネレーションを自動化するツール」です。導入しただけではどうにもならず、「MAツールは使えなかった」と判断されるケースもまだまだ少なくありません。

しっかりとした設計と運用の改善サイクルをとおして、MAツールを有効活用していきましょう。

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