コラム

【閑話】マーケティングはもっとキラキラしていていいはずだ、という話。


夏休みを利用して、息子と「ONEPIECE FILM STAMPEDE」を観に行ってきた。

春日部という土地柄からか、週末動員No.1との前情報からは程遠い空き具合だったが、オールスターなキャスティングに、観る側はタイトルどおり「熱狂(STAMPEDE)」したし、ONEPIECEの歴史と少なからず連動する内容に、本作における今後の展開にも更に熱を帯びさせるものではあった。

ところで、ここ数年のマーケティング界隈では、「熱狂マーケティング」のような「ファン化」「エンゲージメント」を謳う動きで溢れかえっている。ソーシャルメディアの台頭によって、事業会社や広告代理店が規模を問わず「エンゲージメントが大事」と言っては、結局はリターゲティングとSNS広告で「アクイジション効果が高そうな人に許される予算内で何度も広告を見てもらう」事に終始している。

それ自体には、何ら異論はない。アクイジションを短絡的なゴールとしてプロモーションする事よりも、よっぽど「次の一手」を見越しての行動につなげているとは思う。ただ、結局はインターネット広告の範疇を出ないデジタルマーケティングに、小さくも根深いモヤモヤを抱きながら、その界隈で活動している僕は、五輪よりも高い頻度で、定期的にこう呟くことがある。

「マーケティングは、もっとキラキラしていていい」

寺岡幸二@ウェブプラ合同会社

なんでマーケティングしてるんだっけ?

言いたいことの趣旨は、別にInstagramでキラッキラ✨な写真を上げる仕事が良いとか、プリンセスマーケティングに携わりたいとか、そういうことではない。マーケティングという分かりづらいものソノモノが、もっとキラキラして見えて、みんながやってみたいと思えるものでいいはずだ、と言いたいという話である。

なぜそう思っているのか?根本は、自分がマーケティングする事に重ねたものがあるからだ。

20代なんて音楽しかやってなかった。あと趣味でWeb。

そもそも僕は大学で経営学を専攻して、将来を見越してデジタルマーケティングに・・・なんて人間ではない。高専で土木工学を学びながら、パソコン通信で好きな音楽の情報をやり取りしていただけで、20代は仕事なんてどうでもよくて、バンド活動ばっかりしていた。

※いや、取り寄せたって絶対買えないからね。

CDを出したり東名阪ツアーをひっそりとやったり、それなりにまぁ充実した活動だったなとは思いつつ、その時に「宣伝の為にWebサイトを持つ」「交流のために掲示板を持つ」「近しいバンドでエコシステムを構築し、イベントでファンを取り込んでいく」「コアなファンは大事にして育てる」ということをやっていた。

音楽活動が一段落した時、これらがどうやら当時はまだ黎明期であった日本のデジタルマーケティング業界ではあまりメジャーではないスキルだったらしく、その後の自分にとって「好きを仕事をする」結果となった。

Web構築自体は趣味が転じたものだったし、エコシステム作ったり関係者との交流を深めたりは必要だからやりたくてやってた。やりたくないならやらなかったし。結果として、自分の音楽活動はキラキラしたものになった。終わりはきたけど。

好きなことをキラキラさせようと思うと、それがマーケティングになる。

結局は、辛い時もあれど誰だって好きなことにはキラキラしているわけだし、その活動を広げていこうと思うと、結果としてマーケティングしていることが多い。知ってもらったり共感してもらったり、仲間が増えたり、活動が広がったり。結局はマーケティングだ。

なので、マーケティングにはもっとキラキラした印象を持ってもらえると嬉しい。

ちなみにマーケティングを生業としてから、1つだけマーケティングよりも面白いかもと思ったものがある。「チャットボット開発」である。

一般的にチャットボットと言えば、ロボット活用により効率化の方に目が行きがちだが、僕的には「コミュニケーションがもっと自由で深いものになるかもしれない」という思いがあって、自然言語処理とともに2年位没頭して作っていた。

結局はこれもコミュニケーションが軸であるわけで、今はマーケティングの手段として活用しているところもある。

自然言語処理やAI、深層学習などは、エンジニアから観ると新しいスキルを身につけて生きる術とすることでもあり、これからの技術にキラキラするポイントでもある。しかし僕にとっては、「自分をやりたいことをキラキラさせるために必要な技術」だったということである。もちろん、土木工学は完全なる理系であり、三角関数や微積分、線形代数は当たり前に習うものだったので、底に対するハードルは全く感じることはないというだけ、幸運であったのも間違いない。

それでも、ここまで書いて自分でようやく分かってきた事がある。僕は、「自分がやりたいことでキラキラするための手段」として、マーケティングを活用しているに過ぎなかった。


結局は、「何でキラキラするか?」が大事。

以前、「マーケターとしての1万時間」をテーマに2回に分けてコラムを書いてきたりもしたが、あまりスキル面に注目しすぎると、差別化はできてもキラキラは生まれてこない。まぁそれ専業でじっくり取り組むのがいいとか、コンサルになってバリバリ成果を上げたいとかだったらいけど。大体の人は、「何でキラキラしていたいか?」の方が悩みどころだったりするんではないだろうか?

何でキラキラするかは、自分にしか決められないし、AIに取って代わられることもない。スキルはAIに取って代わられるかもしれない。でも、自分がキラキラしていたいものは、自分でしかキラキラさせることはできないし、AIは逆に活用するポイントになるから、テクノロジーとは仲良くしないといけない。

全然関係ないようで、Tシャツを作って売ることだって技術やサービスで簡単になった。やれる手段は、いつだってキラキラさせるために進化する。

そんな事を思いながら、音楽がキラキラする目的でなくなって久しい自分は今、自分なりに「先生として生きる」ことに、キラキラしています。😊✨