コラム

【書評と自戒】マーケティングプロフェッショナルの視点


今年1月に自身の会社を設立して以降も、とある企業のマーケティング部門でマネジメントを行っています。コンサルティングではなく何故マネジメントなのか?と言うと、マーケティングとは所属するメンバーが持つ個々のキャリアをチームビルディングして初めて機能すると考えているからです。

この考えが「マーケティングの本質」などと言うつもりでもなく、あくまで人材業界に長く関わらせていただけた上で、自分の軸となった事に起因しています。

キャリア・マネジメントにも触れたマーケティング書

本書の著者は、P&Gジャパンにおける長年のマーケティング経験を元に、名だたる企業でブランドマネジメントや組織開発に携われてきた、音部大輔氏。

表紙にある「明日から仕事がうまくいく24のヒント」というキャッチはありますが、マーケティング実務における解説書ではなく、どちらかと言うと概念やマインドを分かりやすい表現で説明してくれています。

マーケティングとは「市場創造」、ブランドとは「価値」、と言った具合に、表現が非常にシンプル。この概念を元としたケーススタディについては、インターネット上でも対談記事として公開されていたりします。

マーケティングのデジタル化により、其の実務が非常に複雑かつ高度なものに感じられる事も多々ありますが、高度なのは分析とアウトプットの整合性であり、考え方は逆によりシンプルであるべきなんだな、と思わせてくれる内容です。これからマーケティングを始める方にとってもオススメできる良書だと思います。

「1万時間の法則」に見られるマーケターのキャリア論

本書の中では、前述の通りマーケティング部門という組織の作り方や、マーケターとしてのキャリアについても触れられています。

その中で出てくる「1万時間の法則」を、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

これは、マルコム・グラッドウェル氏による著書「Outliers(邦題:天才!成功する人々の法則)」で書かれたものです。

この邦題のセンスは置いといて、要は「どの分野においても1万時間の練習で達人になれる」とされる法則であり、その後、プリンストン大学で行われた研究によって信憑性が高められました。

実はここ最近、この法則について考えることが多いです。何を考えているか?というと、「マーケティング」というすきるを漠然と「マーケティング」と捉えてしまうと、個々のキャリアも漠然としたものになる、というもの。より細かい「マーケティング活動の内訳」を自分できちんと掘り下げないと、1万時間で得られるスキルが漠然としたものになる、ということです。

その詳細は別途、ドラクエにおける遊び人賢者の件も踏まえて記事にするとして、要は漠然と何でもこなしてきたディレクター集団と、個々のキャリアが明確であるメンバーによるチームとでは、組織として機能させるハードルが全く変わって来るということ。

そのために、1万時間を何に費やすか?が、マーケターのキャリアとしてとても大事ということです。

その上で本書にあるマーケティングの本質や目的を、それぞれのスキルを使って体現していく事が重要であると、改めて考えさせられた本でした。


僕は、マーケティングの仕事に携わるようになってから15年ほどになります。自分で言うのも何だけど、結構プライベートもマーケティングに投資してきた自負はあって、2万時間は超えてると思います。

逆に言うと、それなりのプロでないといけないと。いうことですね。今後もマーケティングという分野に対して、キャリア・マネジメント理論を追求していきます。