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ゲマインシャフトとゲゼルシャフト – ウェブ解析士に見るコミュニティの価値とは?

※この記事は、2020年1月〜2月に実施された、ウェブ解析士フォローアップ講座での発表内容に関連しています。
※内容は個人の見解に基づいています。

一般社団法人ウェブ解析士協会が運営する「ウェブ解析士」という民間資格の価値については、論者の立場や求める対価によって賛否が分かれるのが現状です。とはいえこの資格は、自身のキャリアとスキルを対外的に説明する上で、資格の名称が一定以上の価値があると判断されることから、現在では3万名を超える方が受講されています。

受講者数推移 ※2010年9月 – 2017年11月

(引用元:一般社団法人ウェブ解析士協会Web

一定の伸びを見せる一方、資格取得後の有資格者に対する活動支援や資格維持のメリットに関してはまだまだ課題が多く、それが冒頭の対価論へとつながっているものと思われます。

この現状に対し、2020年度フォローアップ試験対策講座の中で、以下のような方針を発表しました。

当資格が作られたきっかけは、ウェブ制作者がマーケティングの知見をもつことでスキルの幅を拡げることが目的でした。しかしながら現在、営業職や経営コンサルタントと言った様々な知見を持つ方が、当資格を受講するようになりました。そして、ウェブ解析士会議などのイベントを通じて、特定の範囲ながら人的交流が行われています。

今後、この様々な知見と交流を活発にさせることが「ウェブ解析士の価値」を向上させるものであるとのことから、「コミュニティの育成」を1つの方針として掲げました。

また併せて、ウェブ解析士コミュニティのあり方として、下図を用いて説明しました。

左は「これまでにありがちな」とありますが、いわゆる著名人が開催する「オンラインサロン」に見られるコミュニティ形態を表しています。これに対し、ウェブ解析士コミュニティは、ウェブ解析士マスターが中心となりながらも優先されるべきは個々であり、フラットなつながりの醸成を各部が支援するものとしています。

では、この2つの違いはどこから生まれるものでしょうか?ここで、コミュニティ論の中で提唱される、「ゲマインシャフト」と「ゲゼルシャフト」という言葉から考えてみましょう。

ゲマインシャフトとゲゼルシャフト

この2つの言葉は、ドイツの社会学者であるフェルディナント・テンニースが提唱した、社会進化論の言葉です。

人間が社会や集団を構成する際には何らかの意志が働くものとし、その意志には自然的なものか作為的なものかに二分されるものとしました。この前者を「ゲマインシャフト」、後者を「ゲゼルシャフト」と呼びます。

ゲマインシャフト

共同体組織」とも呼ばれ、組織を構成する一人ひとりのために存在する組織体です。家族のような血縁組織が最小単位として考えられ、社会的な組織である町内会や自治会、学校における部活動やPTA、社会人サークル、広くは宗教法人などが当てはまります。個々がその組織に属することで、個々の満足感を高めることが重要となります。

ゲゼルシャフト

機能体組織」とも呼ばれ、組織そのものに存在意義を持たせた組織体です。営利団体、いわゆる一般企業が代表的なものであり、利益などの目的を達成するためのリソース確保と指揮命令を行っていきます。

古くは共同体による狩りや耕作によって維持されていたゲマインシャフト型の社会は、産業革命以降の利益追求を目的とした資本主義経済の発展により、多くの社会人はゲゼルシャフト型の企業活動に大半の時間を使うようになりました。

しかし昨今、個々の幸福を考える機会や、新たな社会的意義を掲げたスタートアップ企業の台頭により、改めてゲマインシャフトの価値が見直されています。

コミュニティにおけるゲマインシャフトとゲゼルシャフト

※ゲマインシャフト自身を「コミュニティ」と称することから議論の余地がありますが、ここではコミュニティの型に対して双方の違いを考えるものとします。

オンラインサロンは主催者自身がコミュニティの存在価値となり、そのコミュニティに参加する意義と対価の利益関係で繋がりを持つ「ゲゼルシャフト型コミュニティ」であると言えます。

これに対し、ウェブ解析士コミュニティは、あくまで資格を有する者同士が個々のキャリアや事業の発展を意義とし、そのために相互関係を円滑にするために組織が存在する「ゲマインシャフト型コミュニティ」であると考えています。

実際、公式テキストや試験の作成は会員が主体となって行い、価値の向上に努めています。この活動に参加するか否かは個人の意思が尊重され、テキストの内容も活動も何らかの利益関係で左右されるものではありません。今後のコミュニティの発展は、今以上にゲマインシャフト型であるべきと思われます。

この2つの違いが、コミュニティとしての型の違いです。ウェブ解析士は会員同士が切磋琢磨し合いながら、個々が成長していくコミュニティである、ということです。


コミュニティ運営には支部活動が主体となる、と当初は説明していましたが、Withコロナ・Afterコロナ化の社会においては、地域の壁に縛られることなく活動していくことのほうが重要となってきます。

今後は、会員同士が学びあえる「勉強会」のような活動がいくつか生まれることを支援し、「ウェブ解析士を取得する価値」がコミュニティにあることを実感できる環境を作っていきたいと考えています。

勉強会スケジュール

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